AIで本を書くのは簡単。でも「売れる本」は別の話
最初に言っておくと、AIを使えば本の「原稿」を作ること自体は簡単。Claude(クロード)というAIに「○○についての本を書いて」と頼めば、数時間で数万字の原稿ができあがる。
でも、原稿ができることと、その本がKindleで売れることは全く別の話。私は6冊出版する中で、いくつかの「落とし穴」にハマった。これから出版を考えている人が同じ失敗をしないように、全部共有する。
落とし穴1: ページ数が少なすぎた
最初の頃に出した本は、30〜40ページ程度の薄い本だった。「短くてもいいから早く出そう」と思っていた。
結果は散々。読者はページ数を見ている。Kindleストアには「推定ページ数」が表示されるので、あまりに薄いと「この値段でこれだけ?」と思われて買ってもらえない。しかもKindle Unlimited(読み放題)の場合、報酬は「読まれたページ数」に比例する。ページが少ないと収益も少ない。
Kindle出版のページ数は最低でも80〜100ページ以上を目安にする。200ページあれば「ちゃんとした本」という印象になる。AIなら文量を増やすのは難しくないので、最初からボリュームを意識して書くべきだった。
落とし穴2: 表紙を適当にしていた
「中身で勝負」と思って、表紙にあまり力を入れなかった。これは大きな間違いだった。
Kindleストアで本を探すとき、読者が最初に見るのは表紙のサムネイル。文字は読めないくらい小さく表示されるので、パッと見の印象がすべて。素人っぽい表紙の本は、どんなにいい内容でもクリックされない。
私の場合、途中からCanva(カンバ)というデザインツールで表紙を作るようになった。Canvaには電子書籍の表紙テンプレートがあるので、それをベースに文字と色を変えるだけでもかなり見栄えが良くなる。AI画像生成ツールで背景画像を作って、Canvaで文字を載せるのもアリ。
表紙のクオリティは売上に直結する。中身に時間をかけるのと同じくらい、表紙にも時間をかけるべき。最低限、プロっぽいフォント・配色・レイアウトを心がける。
落とし穴3: AIっぽい文章をそのまま出した
AIが書いた文章には特徴がある。丁寧すぎる、同じ言い回しが繰り返される、具体例が少ない、どこか「教科書っぽい」。これをそのまま本にすると、読者に「AIが書いたんだな」とすぐバレる。
別にAIで書いたこと自体が悪いわけじゃない。でも、AIっぽい文章は読んでいて退屈なことが多い。読者は「この人の経験」「この人の視点」を求めて本を買う。AIの出力をそのまま出すと、その「人間味」がゼロになってしまう。
AIの出力に「自分の体験」を混ぜる
AIに全部書かせるのではなく、自分の失敗談・具体的なエピソード・感情(「正直焦った」「嬉しかった」等)を後から手動で追加する。これだけで文章の温度が全然変わる。私は「AIが8割、自分の体験が2割」くらいのバランスを意識している。
落とし穴4: KDP審査で落ちるポイントを知らなかった
KDP(Kindle Direct Publishing)には審査がある。原稿をアップロードしても、審査に通らなければ出版されない。私も何度か差し戻しを食らった。
よくある審査落ちの理由
品質ガイドライン違反。目次がない、ページ数が極端に少ない、内容が薄すぎる、既存の本とほぼ同じ内容、などが引っかかる。AIで量産した「中身スカスカの本」はここで弾かれることが多い。
著作権の問題。他の著作物を長文引用していたり、AIが生成した画像の権利関係が曖昧だったりすると問題になることがある。画像を使う場合は、商用利用可能なものかどうか確認が必要。
メタデータの不備。タイトル・サブタイトル・キーワード・カテゴリの設定が適切でないと弾かれることがある。特にタイトルに誇大表現(「絶対に稼げる」等)が入っていると問題視されやすい。
KDPの「コンテンツガイドライン」は出版前に必ず読むこと。特に目次の設定、本文の最低品質、画像の権利確認。審査に落ちても修正して再提出はできるので、焦らず対応する。
落とし穴5: レビュー対策を考えていなかった
Kindleのレビューは売上に大きく影響する。レビューがゼロの本は買われにくい。でもレビューを「お願いする」のは規約違反になりかねない。
私が学んだのは、本の最後に「レビューのお願い」を自然に入れること。「この本が役に立ったら、レビューを書いていただけると嬉しいです」という一文を巻末に入れるだけ。これはAmazonの規約に違反しない。
もう一つ大事なのが、Kindle Unlimited(KU)に登録すること。KUに入っていると読者のハードルが下がる(追加料金なしで読めるので)。読まれる数が増えれば、レビューも自然に増えていく。
6冊出版して分かった「正解」のパターン
テーマ選びが9割
「自分が書きたいこと」ではなく「読者が知りたいこと」を書く。Amazonの検索窓にキーワードを入れて、サジェスト(自動補完)に出てくるテーマは需要がある。既存の本が少ないのに検索されているテーマが狙い目。
「1テーマ・1冊・深く」が鉄則
あれもこれも詰め込んだ本より、1つのテーマに絞って深く書いた本のほうが評価が高い。「副業全般」より「AI音楽での副業」のほうが刺さる。ニッチに絞るほど競合も少ない。
出版は「出してから」が本番
本を出しただけでは売れない。SNSで告知する、noteで関連記事を書いてリンクする、著者ページを充実させる。出版後のマーケティングをセットで考えないと、Kindleの海に埋もれて終わる。
まとめ:AIは「道具」。使い方次第で結果が変わる
AIで本を書くこと自体は、もう誰にでもできる時代になった。だからこそ「AIで書いただけ」の本は埋もれる。差がつくのは、自分の経験を入れること、テーマを選ぶこと、表紙に手を抜かないこと、出版後も育てること。
6冊出してみて、ようやくそれが分かった。最初の1冊は正直ひどい出来だったけれど、出さなければ学べなかったことばかり。完璧を目指して出さないより、出して改善するほうがずっと早い。
これからKindle出版を始める人は、ぜひこの記事の「落とし穴」を先に知っておいてほしい。同じ失敗をする必要はない。
Claude AIを使ってKindle本6冊出版済み。コードも書けないし、文章のプロでもない。でも「出す→学ぶ→改善する」を繰り返して、少しずつ質が上がってきた。